2006年12月09日

本の読み方

 一ページが二段になっている本がある。二段組みと言うのだろうか。正式な名称はわからないが、昔の文学全集などにはよく、見かける。開くと、小さい活字がびっしり並び、しかも二段組みになっていて、「おおっ」と思う。

昭和四十年代に発行された本だと、子供向けの文学全集でも、二段組みになっている。昔は、子どもでもこういう本を読んでいたのだと驚かされる。

 今の子どもたちはどうなんだろう。ちょっと活字が小さい本を開いただけで「むずい(難しいことをそう言うらしい)」の大合唱だから、二段組みの本なんか、見ただけで閉じそうだ、と思っていたら、それ以上だった。

□くん、いわく

「先生、この本、どうやって読むの~?」

「ん、どれどれ?」

と彼の開いた本を覗いて、絶句してしまった。

「どうやって、って、どういうこと??」

「だから、ここから読むでしょ。次は、どこを読むの?」

 彼が持っていた本は、二段組みだったのだ。見たこともないので、一段読み終えた後、次に読む箇所がわからなかったらしい。彼は、元気な中学一年生、小学生ではありません…。

確かに本好きな子ではないから、とまどったのかもしれない。

「でも、それ、赤川次郎だよ。古典文学じゃあるまいし、内容からして続きがどこかわかりそうなものだけど、ね」(心の中で呟いた)

 とにかく、次に読む箇所はここ、その次は、と説明だけはしたが、返ってきたことばは

「ふーん、むずい本だねぇ」

 あんまりショックだったので、次の休み時間にやってきた本好きの子をつかまえて

「読む順番わかる?」

と聞いてみたら、

「あったりまえじゃん、わからないほうがどうかしてるよ」

ということだった。ふぅ~。


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この記事へのコメント
□くんには失礼ながら思わず笑っちゃいました。子どもって、こちらが常識だと思っていることでも覆してくれますよね。
そういえば・・・私が中学の頃、マンガを読んでいたら、小学校低学年のいとこが、「それはどうやって読むの?」と聞いてきたことを思い出しました。四角の囲みをどの順番に読めばいいのかわからなかったのです。
今では彼も立派なお父さんですけど。
Posted by nora-taka at 2006年12月10日 23:35
nora-takaさま、コメントありがとうございます。
 そうなんです、中学生クンたち、けっこうおもしろいことをやってくれまして、楽しませてもらっています。
 この記事に載せた□くんは、『バッテリー』を全巻通読して「オレの中学生活の読書は終わった。もうほかのは読まん」というので、赤川次郎など薦めてみたら、こういうことになりました。もっとほかの本を薦めてみようと思っています。
Posted by hima at 2006年12月11日 21:31
はじめまして。
あまりに可愛かったので(中学生に対して失礼かしら)、思わず、コメントをしてしまいました(笑)。
読んでいって、内容で考えるという作業に行きつかないところが、また、おかしい。現代っ子らしい!(うちの小学生の息子も、ろくに考えないで、すぐに質問してきます)
でも、□くん。。。先生に、ちゃんと質問するところがエライです!
ここから、彼の本への扉がひらくのかしら。
きっと、素敵な図書館なんだろうなあと想像しました♪
Posted by こもも at 2006年12月14日 12:45
こももさま、初めまして。
 コメントありがとうございます。この頃さぼっていてチェックしていなかったので、返事が遅れてごめんなさい。
 ウチの中学生たちは、都会の子に比べて幼いのかも知れません。すれていない、というのか反応がストレートで、そこがまた、かわいいと言えばかわいいのかな?と思います。
 
Posted by hima at 2006年12月20日 06:53
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