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2008年01月05日

明けましておめでとうございます

 遅ればせながら、皆様、本年もよろしくお願いいたします。赤ハイビスカス

 今年は新年早々、というか、昨年から持ち越してきた仕事で大忙しの1・2月になりそうな気配・・・。

 実は、前年度辺りから『日本絵本大賞』の中にある読者賞というのに取り組みたいなあ、と思っていたのですが、なかなかチャンスに恵まれないでいたのです。昨年度は2月に学習発表会があり、(1年おきにある)とてもとても無理。今年こそ、と秋ごろから図書主任の先生やら、教務主任の先生やらに相談し、管理職の許可を得て、応募書類を出しました。

 「まあ、当たらなくても何冊かの絵本をPTA予算をやりくりして購入すれば、投票はできる。」

と思っていたのですが、12月の中旬に事務局から当選のお知らせが・・・。さあ、それから大騒ぎ!実際に本が届いたのが12月も終わろうかと言う頃です。海が荒れて船が欠航したせいもあり、いつもより余計に日にちがかかっての到着でした。

 冬休み明けには子どもたちに渡したい、と装備を済ませ、お知らせを作り、投票ポストも準備(実は読書郵便ポストを流用)しました。月曜日から子どもたちが登校してくるので、いよいよ取り組み開始です。

 私が学校に勤め始めてから初めての大きな(?)イベントなのです。24冊の候補絵本を読んでお気に入りに投票するというだけのことですが、なんだかどきどきして、子どもたちより私のほうが楽しんでしまいそうです。期間中には図書委員さんたちに読み聞かせもお願いして、子どもたち全員が24冊読破してくれることを願っています。

  


Posted by hima at 15:42Comments(3)日常

2007年12月08日

おもしろかった本

寄贈本の中にあった本。

いやあ、すごいばあちゃんが居たもんだ。キーワードはショットガン、ネズミ、牛乳瓶…。舞台は1920年代のアメリカ、シカゴ近郊の田舎町。

「夏休みに遊びに来た兄妹が体験するばあちゃんとのスリリングな生活とは!?」とキャプションをつけて図書館に掲示したが、中学生にうけるだろうか。一見ハチャメチャに見えるばあちゃんの行動の奥にあるものを読み取ってくれるだろうか。本当はしみじみしたものが後から湧いてくる本なのだけれど。

後編のシカゴより好きな町と一緒に読んでほしいな。

 中二の女子が表紙に引かれて借りようか、どうしようかと迷っていたので押し売り(?)しました。さて、感想がどうなのか、楽しみ。  


Posted by hima at 16:34Comments(0)

2007年10月30日

ノンちゃん雲にのる

 子どものころに読んだ本に再会した話。
 『ノンちゃん雲にのる』は私が小学生時代に愛読した本だ。池に浮かぶ雲にジャンプして飛び乗り、雲上大旅行?するお話だ。雲を操縦するおじいさんに促されるまま、主人公ノンちゃんが語る自分史がおもしろい。大病にも負けず、がんばり屋の主人公に感情移入して楽しんだものだった。

 今回、フィンランド・メソッドに取り組んでいる先生からの依頼で今までとは少し毛色の変わった本を購入した。古典系の本が多く、『ツバメ号とアマゾン号』『二年間の休暇』などに混じってこの本もリストアップされたと言うわけだ。本の受け入れをしながら、ちょこちょこと読んでいたのだが、ついなつかしくなって家に持ち帰り本格的に読んでみた。

 本自体は昔と少しも変わらないのに、私の気持ちが変わっていることに驚いてしまった。子どものときは、「約束したのに置いてきぼりにされたしまった」ノンちゃんの気持ちに寄り添い、雲の上であんなに楽しかったのだからまた行けたらいいのに、と思っていたが、今回読み返して涙がこぼれそうになったのはお母さんの気持ちだった。

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Posted by hima at 22:15Comments(0)

2007年10月06日

今年、2度目です

今年、2度目の大きい台風である。前回は敬老の日の後、そして今回は体育の日3連休直撃。うわーん昨日から強風域に入り、ずーっと風、風、風。やっと夕方から弱まってはきたが、昼間は家が揺れるほどの暴風だった。停電しているせいでとにかく何もできない。雨戸を閉め切った暗い部屋の中でひたすらじーっとしているほかないのだ。人間、暗い中では料理する気も起きないと言い訳してジャーの中のご飯とインスタントラーメンで朝食・昼食を食べ、(子どもに食べさせ?)夕食はレトルトカレーと決めていたら、夕方、ポッと明かりがついた。本当にありがたかった。去年の台風13号のときは3日も停電し、ほとほと困り果てたので24時間しないうちに明かりがついてくれたのに感謝、感謝。夕食は暖かいものが食べたくておでんを作ったのでした。
 明日は朝から片づけが待っている。幸い(?)子どもたちも休みだからお手伝い頼みますよ!!  


Posted by hima at 22:48Comments(2)日常

2007年07月24日

れいぞうこのなつやすみ



西日本感想画コンクールの低学年指定図書である。長谷川義史さんの挿絵はとてもインパクトがあるから、負けないような感想画を書くのは大変かな?でも、村上しいこさんのお話はとても楽しい!

 突然冷やすことをやめた冷蔵庫が、

 「私にも夏休み下さい。プールで泳ぎたい」

 って言い出すなんて、それだけでもけっさくなのに、顔ができて、手も足も、おまけにしっぽまで生えるなんて・・・。こういう時の関西弁がまた、おもしろさを増している。

 「あのう、泳ぐ時はやっぱり水着が。わたしれいぞう子っていうんですう。女の子です」

 最初から最後まで大笑いした本だった。子どもたちにも「おもしろい本だよ~」とすすめたら、人気が出てなかなか返ってこなくなってしまった。

 今年度は低学年の感想文課題図書にもう1冊村上しいこさんのお話が入っている。『みんなのきもち』。こちらはおでんと一緒にお風呂に入るお話なので冬に読ませたかったな。

『れいぞうこのなつやすみ』はもちろん、夏にオススメの本である。
  


Posted by hima at 21:35Comments(0)

2007年07月21日

うれしかったこと

 私のブログに以前登場(?)してくれた、〇くん。

『バッテリー』でオレの読書生活は終わったと宣言し、二段組の本の読み方がわからないといっていた、彼のことだ。あの〇くんが、今日私のところに来て

「センセー、『一瞬の風になれ』おもしろいねー。オレの読書ペースにしたら、驚異だよ。勢いつけて読んでるよ。」

 ありゃりゃ、何てうれしいこと言ってくれるんだろう。あきらめずにあれこれ薦めてきた甲斐があったというものだね。
〇くんは短距離選手として、県大会の選手にもなるくらいがんばっているから、物語の中の子どもたちにも共感できるのだろう。それにしても、薦めた本に手ごたえがあるときは、本当にうれしくなってしまう。

 小学生はわりと素直に「この本おもしろい」とか「ダメ、おもしろくない」とか言ってくるのでこちらも受け答えしやすいのだが、中学生ともなるとなかなか難しい。薦めても読んでくれなかったり、読むには読んだが知らん顔したりと、がっかりすることも多い。それだけに、〇くんのように言ってくれると

 「ああ、この仕事をしていてよかったなあ」

としみじみ思う。我ながら単純でどうしようもないのだが、1学期の終わりにうれしいプレゼントをもらったようで、幸せ気分になれました。
  


Posted by hima at 18:06Comments(0)子どもたち

2007年05月22日

へんないきもの

 〇くんは、かなり気まぐれである。自分の気に入ったことはとことん取り組むが、へそが曲がると見向きもしない。彼のお気に入りは『都会のトム&ソーヤ』とその他、はやみねかおる作品。

そして『バッテリー』。バッテリーを友だちに薦める文を書いてもらったが、Ⅰ~Ⅵまでだけではなく番外編『ラスト・イニング』まで読みこなし、見事に表現していた。

 そんな彼がはまったのが、『へんないきもの』『またまたへんないきもの』の2冊である。

 「きも~」「見たくな~い」と言う生徒もいるが、貸し出し数上位に必ず入る人気本なのだ。これが、彼の感性に訴えた(??)らしい。返却本コーナーでやけに熱心に見ているな、と思っていたら

 「先生、図書館掲示増やしておいたよ」
 「へっ、なんのこと?」

気づくと『またまたへんないきもの』についていたポスターをご丁寧にカウンター近くの書棚に張り出していた。

 「うーん、これを身ながら仕事する私の身にもなってよ」

と、弱々しく講義したが聞く耳持たずだった。仕方がないので、一学期中のみということで不気味ないきものと付き合う日々が続いている。  


Posted by hima at 19:12Comments(2)子どもたち

2007年05月11日

手ごたえ

今年こそ、新年度から落ち着いて仕事しよう!と誓ったのだが、やはり落ち着かない4月になってしまった。(反省)
 5月も上旬を過ぎると少し落ち着いて周りを見る余裕も出てくる。本の貸し出し状況など抽出して見たら、今まで動かなかった本の貸し出しが増えていてびっくり。

 そう、今年の中1が借りていたのだった。6年生のときは担任の先生に「厚い本も読みなさい」と言われ、気がなさそうに借りていた彼らだったけれど、いつのまにか本好きになっていたみたい。中2の子たちに薦めても

「いやあ~、こんな厚い本はよめないよ」

「字が小さくて、むずい」

とか言って逃げ出すような本を借りている。さて、これがこのまま続いてくれるか、それとも冊数かせぎに薄い本ばかり借りるようになるのか・・・。がんばって、彼らに読んでもらえるような本を買えるだけ買おう。図書主任の先生は去年の状況に今年はあきらめ気味で、

「絵本を中心に入れます」

と言っていたけれど相談しなくては!

 ちなみに、中1が借りた本は「十二国記」「三国志」「守り人シリーズ」「八犬伝」「ライオンボーイ」「サークルオブマジック」など。ちょっと偏っているかな。中2以上は、「都会のトム&ソーヤー」が好きですね。早く5巻を買って、とリクエストされて困っています。  


Posted by hima at 21:05Comments(2)子どもたち

2007年03月18日

ふふっ

 我が家の1年坊主と幼稚園生、テレビを見ながらなにやらしゃべっている。聞くともなく聞いていると、どうやら、『鼻が曲がる』ことについてらしい。格闘技の試合で鼻を骨折して曲がってしまった、とスポーツニュースで言っているらしい。

 「曲がった鼻は直せるんですかね。」とテレビのキャスター。

息子いわく「骨折した鼻はわからないけど、別のことでも鼻は曲がるんだよ」
       「ふーん。にいにい、それってなに?」と娘。

       「だから、おならしてね、それがすごくくさいときさ、鼻がまがるんだよ」

 えっ、それって本当に曲がるんじゃなくて、比喩で、と言いかけたが、あんまりおかしかったのでひそかに笑ってしまった。自分の知識を妹にひけらかしているとき「それはちがうよ」と言うと、プライドが傷つくらしく、ふくれてしまう息子。

 ま、今回は実害もないし、(??)こっそりブログのねたに頂戴して楽しませていただくことにしました。

 それにしても、「鼻が曲がるほどくさい」なんていう表現をどこで覚えてきたものやら。  


Posted by hima at 09:26Comments(1)日常

2007年02月25日

しょうが糖

 子どものころ、大好きなおやつのひとつに「しょうがのお菓子」があった。いつも食べられるものではなく、八幡さまの秋祭りのときだけ売っているものだった。お祭りの屋台の中に一軒だけこのしょうが菓子(しょうがの砂糖漬け)を売る店があった。お参りしてからでないと買ってもらえない。いつも大慌てで手を合わせ、祖母の手を引っ張るようにして屋台に急いだものだった。

 箱のように膨らませた白い厚紙の袋の中に、ビニール袋に包まれた菓子がほんのぽっちり入っている。子ども心にも量が少ないのが不満で、大きい袋をねだるが、大、中、小とあるうち、小袋しか買ってはくれなかった。子どものおやつにするには高価なものだったのだろう。

 いつとはなしに忘れてしまっていたのだが、先日インターネットでこれに似たものを見つけた。『しょうが糖』と言う名前だったが商品説明を見ると間違いなく、しょうがの砂糖漬けである。なつかしくなり、取り寄せしてみた。

 届いたのを見ると、記憶にあったのより分厚く、黄色だった。昔食べていたのは、薄くスライスされていて、色も真っ白に漂白されていた。味も、今回買ったものはしょうがの風味がより強く残っていて、お菓子というよりは確かに『しょうが糖』である。でも、甘い砂糖の味の後からしょうがのぴりぴりした辛味が舌に来るところなどは同じで、おいしいおいしいと食べていたら、来た。

 ガチマヤー(食いしん坊)のウチの娘だ。この子は、食べ物に対する好奇心が強いというのか、誰かが食べているものは、自分も食べないと気がすまないたちだ。上の息子は食わず嫌いで、珍しい食べ物はまず拒否する。どちらがいいのか悪いのか、わからないが、とにかく食べているのを見つかった以上食べさせないではすまない。

 私も自分の子どものころの味を子どもがどう感じるか、興味があったので少しだけかじらせてみた。

  「甘くておいしいよ。」と言った途端、

  「う~、からい!おかあさん、出していい?食べられないよ」

 あら、珍しい、口に入れたものは絶対飲み込むのに、と思ったがそれどころではない。泣きそうになっている。ごめん、ごめん、とあやまって水を飲ませると落ち着いたが、この子でも食べられないのか、と不思議な感じがした。
 
 そういえば、子どものくせにこんなものが好きで、と祖母があきれていたっけ。子ども心に「おばあちゃん、変なこと言うなあ。おいしいのに」と思っていたが、あれは、私の味覚が変だったのか。変わり者の子どもだったということがわかった、今回の出来事でした。
  


Posted by hima at 09:02Comments(0)日常

2007年02月18日

おばけやしきへようこそ!



森の奥深くそびえたつ、不気味なおばけ屋敷。あんまり奥深いところなので人間がやってこない。おばけも魔女もトロールもおどかす相手がいないので、つまらない。そこへやって来た迷子の女の子。「さあ、どうやってこわがらせてやろうか」と張り切る、おばけたち。でも、女の子はちっともこわがらない。それどころか…というお話です。

 この話に出てくる、魔女もおばけもトロールも、いい人(いいおばけ?)ばかりです。魔女風スープが「口に合わない」といわれればミルクとパン、チーズを出してやり、ベッドのある部屋(幽霊はいましたが)に泊めてやり、1回おどかしてこわがらなければすごすご引き下がるのです。

 子どものころは暗闇がこわくて、こわいお話が嫌いだったのですが、その性格を受け継いでしまったらしい、こわがりのうちの娘もこの話は大好きでした。

絵本にしては文章が長く、読み応えがあるので低学年の子どもだけでなく、中学年の子どもたちもお気に入りの本です。読み聞かせにも使いましたが、集中して聞いてくれ、反応もよかったです。  


Posted by hima at 15:53Comments(0)

2007年01月28日

テムズ川は見ていた

「煙突掃除の男」といったら、メアリー・ポピンズのお話に出てきた人を思い出す。煤だらけの手で握手してもらうと、幸運がついてくるのだったっけ。映画メアリー・ポピンズの「チム・チム・チェリー」と言うメロディーが浮かんだりして、なんとなく楽しいイメージがある。

しかし、実際には、煙突掃除は重労働だったらしい。この本を読んではじめて知ったのだが、施設から引き取られた(買い取られた?)子どもが煙突掃除の親方の下で、必死になって働いていたのだ。

煤だらけのひどい環境で、狭苦しく、息もできなかったのではないだろうか。成長すれば狭い煙突には入れなくなる。そうなったら、彼らはどうなるのだろう。捨てられてしまうのだろうか。

 主人公のバーナクル(フジツボという意味らしい)は、つらい煙突掃除の仕事にもかかわらず、明るい少年だ。煙突の中でサボったりする要領のよさもある。

 そんな彼がとんでもない密談を聞いて、証拠品をそれとは知らずつかんでしまい、秘密警察に追っかけられる、と言うお話である。
 
 バーナクルを拾ってしまい、やっかいごとに巻き込まれるテムズ川のはしけ乗り、トム。
トムの思い人、マグディバー夫人とその娘、ミランダ。悪役のクリーカー警部も含め、みんな魅力的な人々だ。

 日本で言うと明治時代くらいかな。ヴィクトリア王朝時代のロンドンが目の前にあるようで、楽しいお話だった。
 
 これを読んだ後、ディケンズの『クリスマス・キャロル』と『炉辺のコオロギ』も読んで、ヴィクトリア王朝時代のロンドンへのタイムスリップ・ツアーを楽しみました。
  


Posted by hima at 14:44Comments(0)

2007年01月15日

きみがしらないひみつの三人

 養護の先生のお勧めで、購入した本。かわいい挿絵のついた絵本なので、最初低学年の子どもたちがぽつぽつ借りていた。しかし、大人が読んでもなるほどと思える内容の絵本だった。高学年にも勧めようと思っていたら、じわじわと借り手が増え、返ってきてもすぐ借りられるようになった。
 
 あなたが生まれた日、三人の友だちがやってきます。それは[アタマ博士]と「ハートおばさん」と「いぶくろおじさん」です。と、始まる。

 アタマ博士は、一生懸命記録を取って、思い出そうとすれば教えてくれる。ハートおばさんは、心の中のいろんな気持ちを洗ったり、干したりして世話をしてくれ、大切にしまっておいてくれる。いぶくろおじさんは、食べ物をもう一度料理して、熱すぎないよう、冷たすぎないように管理してくれ、悪い食べ物が体に入らないよう守ってくれる。

 と言うのがなんだかとても楽しい。頭と心と胃袋がけんかしてしまうと、病気になると言うのもウチアタイ(心当たりがある)するな。

 本人が亡くなった後、アタマ博士が残された人たちに、思い出を伝えてくれると言うのが心にしみる。ハートおばさんは、愛情を育て、みんなの心に深く刻み込んでくれるのだ。

「わすれらないおくりもの」にも出てくるが、亡き人を思い出し、語ることで悲しみから立ち直るのが、一番よいことなのではなかろうか。しみじみと読めるいい本だった。
  


Posted by hima at 09:00Comments(6)

2007年01月14日

ヘルガの持参金

 「ヘルガの持参金―トロールの愛のものがたり」持参金がないため、結婚できないトロールの女の子、ヘルガが、自分の知恵と才覚で持参金を稼ぎ、トロールの王様に見初められて幸せになるお話。

 読み聞かせをすると、高学年にうける本。今回、ためしに低学年の子どもたちに読んでみた。高学年相手に読んでいると気づかないが、低学年の子どもたちにはことばが少し難しいようだ。ことばにひっかかって読みを止め、意味を質問したりする。

 お話の内容はおもしろいのだが、なぜヘルガが最初の恋人をふってしまうのか、王様と結婚するのかがよく分からないようだった。
 大人が読むと、本当に楽しいお話で、『欲の皮のつっぱった人間ども』や『不誠実な色男の恋人』や『親の七光りで結婚しようとする女の子』などキャラクターも揃っていて楽しいのだが…。

 ヘルガが「私の財産に目がくらむのではなく、私を私としてみてよ」と言うシーンはなかなかのものだと思う。

 小学校高学年から大人までにお勧めの本だ。
  


Posted by hima at 10:42Comments(2)

2007年01月06日

獣の奏者



お正月休みにひたすら読んだ本。
「守り人」「旅人」シリーズが完結しそうなのでそちらばかり気にしていたら、突然飛び込んできた新刊発売のニュースだった。学校図書館に入れようにも予算の余りはなく、

「新年度まで待つより私費購入だ!」

 と、思い切って注文してしまった。いやあ、よかったです。物語の冒頭、主人公の母が亡くなる(というか、無惨な最期を遂げる)。
 最後の最後にした、母の決断のすごさ。私も母親だが、子どもの命だけは守ろうとする気持ちが痛いほどに伝わって、ここで物語世界に引き込まれてしまい、あとはあれよあれよと言う間に上橋菜穂子マジックにどっぷりと浸かり、王獣に乗ってはばたいていた。

 上橋菜穂子さんは、人類学者でアボリジニーの研究者でもある。アボリジニーはオーストラリア大陸の先住者でありながら、後から来た白人との摩擦により、苦難を極めてきた。彼らを知れば知るほどだと思うのだが、上橋さんの作品には文化の衝突により、一方が他方を押しつぶそうとすることの矛盾が鮮やかに描かれている。

 ファンタジーと言うジャンルに入り、児童文学の扱いではあるが、この作品はぜひ、大人に読んでほしいと思う。大人になりかけの中学生たちにもぜひ、薦めたいと思う。もちろん、「守り人」「旅人」のシリーズも!

 どこにも出かけず、冬篭りの正月休みだったけれど、いいお休みでした。三連休が終われば慌しい三学期の始まり、がんばりましょう!  


Posted by hima at 16:12Comments(0)

2006年12月30日

年の瀬

 今年もあとわずか、今日と明日を残すのみとなった。相も変わらずバタバタして、このまま正月になだれ込みそうだが、来年は、少し落ち着いて日を送りたいなあ、とかなわぬことを思っている。

「一月は行く」「二月は逃げる」「三月は去る」とよく言われるが、私の場合、その3倍くらいのスピードで過ぎ去ってしまい、はっと気づくと、ゴールデンウィークも過ぎてしまっていた、というのがいつものパターンだ。

4月からの新年度は、なぜか図書関係のイベントが集中し、合間にオリエンテーションだなんだと追われているうちに、学期前半が過ぎてしまう。今度こそは、落ち着いて、イベントも力を入れて、図書事務も丁寧に、と考えている。

こうやってブログに書くことで、自分にプレッシャーもかけましょう。

今年1年つたないブログをお読みいただいた方々に感謝しつつ、今年を締めくくります。ありがとうございました。  


Posted by hima at 14:19Comments(1)日常

2006年12月09日

本の読み方

 一ページが二段になっている本がある。二段組みと言うのだろうか。正式な名称はわからないが、昔の文学全集などにはよく、見かける。開くと、小さい活字がびっしり並び、しかも二段組みになっていて、「おおっ」と思う。

昭和四十年代に発行された本だと、子供向けの文学全集でも、二段組みになっている。昔は、子どもでもこういう本を読んでいたのだと驚かされる。

 今の子どもたちはどうなんだろう。ちょっと活字が小さい本を開いただけで「むずい(難しいことをそう言うらしい)」の大合唱だから、二段組みの本なんか、見ただけで閉じそうだ、と思っていたら、それ以上だった。

□くん、いわく

「先生、この本、どうやって読むの~?」

「ん、どれどれ?」

と彼の開いた本を覗いて、絶句してしまった。

「どうやって、って、どういうこと??」

「だから、ここから読むでしょ。次は、どこを読むの?」

 彼が持っていた本は、二段組みだったのだ。見たこともないので、一段読み終えた後、次に読む箇所がわからなかったらしい。彼は、元気な中学一年生、小学生ではありません…。

確かに本好きな子ではないから、とまどったのかもしれない。

「でも、それ、赤川次郎だよ。古典文学じゃあるまいし、内容からして続きがどこかわかりそうなものだけど、ね」(心の中で呟いた)

 とにかく、次に読む箇所はここ、その次は、と説明だけはしたが、返ってきたことばは

「ふーん、むずい本だねぇ」

 あんまりショックだったので、次の休み時間にやってきた本好きの子をつかまえて

「読む順番わかる?」

と聞いてみたら、

「あったりまえじゃん、わからないほうがどうかしてるよ」

ということだった。ふぅ~。
  


Posted by hima at 15:22Comments(4)子どもたち

2006年12月01日

天と地の守り人

 やっと、やっと『天と地の守り人 第一部』が入った。11月17日発売になったらしく、ミクシィでも話題になっていたのだが、そこは、田舎のことだから、遅い!
 
ハリーポッターシリーズのときも、NHKのニュースで取り上げているのに、近所の本屋さんに電話したら「すみません、こちらは半月遅れです」と言われたっけ。

自分で買う本は、アマゾンとか楽天ブックスとかに頼めるが、学校に入れるとなると、支払いが問題なので近所に頼まざるを得ない。

というわけで、
 
 「先生、まだ?まだなの?先に自分で読んでるんじゃないの?」

身に覚えのない疑いをかわしつつ、ひたすら待ったのだった。

 そして、入ってきた本は即、受け入れしてリクエストをしてくれた生徒に・・・ごめんなさい!先に読みました!だって、期末テストの真っ最中の生徒に渡すなんて、そんな非常識な・・・。

テストが終わるのを待ち、今日渡すことができてホッとした。金曜日に持って帰れば、彼女のことだから月曜日には読み上げてくれるだろう。そうすれば次の子に、遅くても火曜日には、渡せる。  続きを読む


Posted by hima at 21:03Comments(0)

2006年10月26日

本が来た

今年度予算の本が、入ってきた。今年はいつもより遅くて、早く早く、と待っていただけにうれしい。

 「にんきもの」シリーズ、「スパイダーウィック家」シリーズなどブログの先輩方が紹介されていた本は、ウチの子どもたちにも大うけで、本当に、感謝してもしきれない。

 季節ものの本(「オニの生活図鑑」とかクリスマス関係の本など)は、受け入れだけしてしまっておこうと思う。全部出すと季節展示の時、もう読んだ~、と食いつきが悪くなるのだもの。

 一人で図書館にこもって仕事をしていると、どうしても選本が偏ってしまいがちで、図書主任の先生と二人、ああでもない、こうでもないとため息をつく事になる。

 ブログを読むことで遠い場所の司書さんたちと交流したり、自分からも情報発信したりできるインターネットは、本当に便利なツールだと思う。さまざまな問題(ウィルスとか迷惑メールとか)も抱えているインターネットだが、上手に付き合っていかねば。

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Posted by hima at 19:57Comments(2)

2006年10月24日

ヒットラーのむすめ

ヒットラーのむすめ

 「Do you know “Hitler’s daughter”?」 

 オーストラリア タスマニア島出身というALT(英語助手)の先生に聞いてみた。こちら、怪しげな英語交じりの日本語、彼はかなり流暢な日本語で。

 「What? 何ですか?日本語の本は、大学で習ったKobo Abe とHaruki Murakamiと Junichirou Tanizakiしかわからなくて」

「いや、これはオーストラリアの作家の書いた本なんですけど。今ちょっと名前が出てこないので後で作家の名前を調べておきますね」

 2004年に日本語訳が出ていて、今年までの2年間に初版第8刷まで出版されている。かなり売れている本だ。オーストラリアの文学、というか、児童文学の本は、エミリー・ロッダしか知らなかった。前述のALTの先生も、エミリー・ロッダは有名ですよ、と言っていた。

今回これを読んでみて、レベルが高いなあと正直に感じた。ストーリー運びのうまさ、登場人物の描写など感心してしまった。さくまゆみこさんの訳もいいのだと思う。

 雨降りのうっとうしさ、もどかしさの中で、マーク少年がアンナの話に引きつけられていくのがとてもよく描写され、過去と現在は続いているのだという理解が深まっていくのがよく分かるのだ。読んでいるこちらの心にも、すっと落ちてくる。納得できるのだ。

 平和教育にとって、過去のお話を今の子どもにわかってもらうことの難しさがあるのだが、これはその点を見事にクリアしていると思う。
架空のお話として続いてきた「ヒットラーのむすめ」が、ぐるりと回って、見せる落ちも、いい。

 中学生にはぜひ、読んでほしいのだが、まだ借り手がつかない。今読書月間中のイベントとしてやっている「わたしの勧めるこの一冊」に取り上げてみよう。
  


Posted by hima at 19:21Comments(2)