きみがしらないひみつの三人
養護の先生のお勧めで、購入した本。かわいい挿絵のついた絵本なので、最初低学年の子どもたちがぽつぽつ借りていた。しかし、大人が読んでもなるほどと思える内容の絵本だった。高学年にも勧めようと思っていたら、じわじわと借り手が増え、返ってきてもすぐ借りられるようになった。
あなたが生まれた日、三人の友だちがやってきます。それは[アタマ博士]と「ハートおばさん」と「いぶくろおじさん」です。と、始まる。
アタマ博士は、一生懸命記録を取って、思い出そうとすれば教えてくれる。ハートおばさんは、心の中のいろんな気持ちを洗ったり、干したりして世話をしてくれ、大切にしまっておいてくれる。いぶくろおじさんは、食べ物をもう一度料理して、熱すぎないよう、冷たすぎないように管理してくれ、悪い食べ物が体に入らないよう守ってくれる。
と言うのがなんだかとても楽しい。頭と心と胃袋がけんかしてしまうと、病気になると言うのもウチアタイ(心当たりがある)するな。
本人が亡くなった後、アタマ博士が残された人たちに、思い出を伝えてくれると言うのが心にしみる。ハートおばさんは、愛情を育て、みんなの心に深く刻み込んでくれるのだ。
「わすれらないおくりもの」にも出てくるが、亡き人を思い出し、語ることで悲しみから立ち直るのが、一番よいことなのではなかろうか。しみじみと読めるいい本だった。
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